家具選びと配置でリビングを広く見せる

リビングの印象は、配置する家具によって変わります。
まずは、家具選びや配置の工夫を解説します。
視線を遮らない工夫:背の低い家具を選ぶ
高さのある家具で目線を遮ると、部屋が狭く感じられます。
そのため、リビングを広く見せたい場合は、背の低い家具を選びましょう。
ソファやテレビボード、収納棚などを低めのものにすることで、部屋全体がすっきり見えます。
背の高い収納家具を置く必要がある場合は、壁際や部屋の隅など、視線の通り道をふさがない位置に寄せることで圧迫感を抑えられます。
床が見える面積を増やす:脚付き家具の活用
床が見える面積を増やすことも、リビングを広く見せる工夫の一つです。
家具で床面が隠れていると、実際の広さよりも部屋が狭く感じられます。
床が見える面積を増やすためには、脚付きのソファやテレビボードなどを活用するのがおすすめです。
脚の細いデザインや抜け感のある素材を選ぶことで、見た目がより軽やかになります。
また、サイズ選びもポイントです。
部屋の広さに対して大きすぎる家具を置くと、窮屈さを感じる原因になります。
家具を購入する際は、リビングの広さを考慮して選択するようにしましょう。
見せ場を作る:部屋の奥へ視線を誘導して奥行きを演出
視線を奥に誘導して奥行きを演出することも、リビングを広く見せる方法の一つです。
見せ場を作り、視線を奥に誘導することで、実際の面積以上に部屋の広がりを感じさせることができます。
例えば、以下のような方法で視線を誘導できます。
・窓際に観葉植物を置く
・奥の壁にアートや照明を配置する
見せ場をつくる場所は、入口から見て奥や対角線上がおすすめです。
大きな家具や装飾をいくつも置くと圧迫感が出るため、見せ場は一か所に絞り、周囲に余白を残すことが大切です。
また、窓まわりの配置も部屋を広く見せるポイントです。
窓の前に背の高い家具を置いてしまうと、光や視線の抜けが遮られ、狭く見えてしまいます。
入口から窓まで視線が通るように家具を配置し、明るさと奥行きのある空間を演出しましょう。
色や照明の視覚効果で広く見せる

リビングを広く見せるには、家具の配置だけでなく、色や光の使い方も大切です。
ここでは、視覚効果で開放感を出す方法を解説します。
明るい色で統一
リビングを広く見せたい場合は、家具や内装を明るい色で統一しましょう。
白・アイボリー・ベージュ・ライトグレーなどの明るい色は光を反射し、部屋全体を明るく見せてくれます。
反対に濃い色を広い面積に使うと、圧迫感につながることがあります。
特に、壁・床・カーテン・ラグなど面積の大きい部分は、明るい色を選ぶことでリビング全体が明るく、広々とした印象になります。
ただし、すべてを明るい色でまとめると単調な印象になってしまいます。
クッションや小物、観葉植物などで淡い色や自然素材を取り入れ、調整するのがおすすめです。
後退色(寒色系)の採用
後退色とは、実際の位置よりも後ろに下がって(遠くに)見える色のことです。
青・グレー・ブルーグリーンなどの寒色系が後退色にあたり、リビングに奥行きを出したいときに取り入れられます。
例えば、部屋の奥の壁に淡いブルーやグレーのアクセントクロスを使うことで、その壁が実際よりも遠くにあるように錯覚されるため、空間を広く感じられます。
一方で、濃い寒色を広い面積に使うと、部屋全体が暗く見えることがあります。
リビングに取り入れる場合は、淡いトーンを選ぶか、壁の一部やファブリックなどに絞ることが、空間に馴染ませるポイントです。
間接照明で立体感を出す
間接照明を取り入れると、リビングに立体感が生まれ、奥行きのある空間に見せられます。
天井や壁に光を反射させることで、部屋全体にやわらかい明るさを届けられます。
シーリングライトだけで部屋全体を照らすと空間が平面的に見えてしまうため、テレビの背面や壁際、天井付近などに光を足して、立体感を演出しましょう。
他に、部屋の奥や角にフロアライトを置く方法もあります。
暗くなりがちな場所に光を届けることで、視線が奥へ向かい、リビング全体を広く見せる効果が期待できます。
カーテン・窓周りの工夫で開放感を出す

窓周りは、リビングの明るさや開放感に大きく関わる部分です。
ここでは、カーテンの取り付け位置や窓まわりのアイテムを工夫して、リビングを広く見せる方法を解説します。
カーテンを高く設置する
リビングを広く見せたいなら、カーテンレールを窓枠よりも高い位置に取り付けるのがおすすめです。
天井に近い場所からカーテンを吊るすことで、縦のラインが強調され、天井がぐっと高く感じられるようになります。
結果として、空間全体がすっきりとした広い印象に変わります。
また、幅の取り方もポイントです。
カーテンの幅を窓よりも広めにとれば、開けたときに生地が窓にかかりにくくなり、窓全体からたっぷりと光を取り込めます。
視線も自然と外へ抜け、リビングに開放感が生まれるでしょう。
ブラインドやロールスクリーンの採用
窓周りをすっきり見せたいなら、ブラインドやロールスクリーンを取り入れるのも一つの方法です。
布製のカーテンに比べてフラットな見た目になるため、窓まわりのボリュームを抑えられます。
ブラインドの特徴は、羽根の角度を変えることで光や視線を調整できる点です。
外からの視線を遮りながら自然光を取り入れられます。
アルミ製ならシャープな印象に、木製なら落ち着いた雰囲気に仕上がるでしょう。
ロールスクリーンは、使わないときに上部へ巻き上げられるため、窓まわりをシンプルに見せることができます。
壁や天井に近い色を選べば、窓周りが空間になじみ、リビング全体を広く見せる効果も期待できます。
ただし、見た目だけで選ぶと、使い勝手で不便を感じることもあります。
リビングに導入する際は、以下の点に注意しましょう。
・開閉に少し手間がかかる
サッと引けるカーテンと違い、上下に操作する必要があります。(特に出入りの多い「掃き出し窓」などでは、手間に感じやすくなります)
・換気時に音がなる
換気の際に本体が風で窓枠にぶつかり、カンカンと音が鳴ることがあります。
・日々の掃除に手間がかかる
横型ブラインドは羽根(スラット)にホコリが溜まりやすく、布製のロールスクリーンは気軽に洗濯機で洗いにくい側面があります。
窓の開閉頻度や、お手入れのしやすさも考慮して、ライフスタイルに合うものを選びましょう。
根本から解決するリビングのリフォーム術

ここまで家具や色の工夫でリビングを広く見せる方法を紹介してきましたが、それだけでは限界があります。
このセクションでは、リビングの開放感を高める主な「リフォーム術」について解説します。
間仕切り壁の撤去:隣室とつなげて一体化
リビングに隣接する和室や洋室がある場合は、間仕切り壁を撤去して一体化するリフォームがあります。
部屋同士をつなげることで床面積が広がり、家族でゆったり過ごせる開放的な空間が生まれます。
壁を完全に撤去するだけでなく、引き戸や折れ戸を設置して、空間を仕切れるようにするケースもあります。
ただし、建物を支える役割を持つ壁や、配線・配管が通っている壁など、撤去できないケースがある点には注意が必要です。
撤去できる壁かどうかは、リフォーム会社に相談して、確認してもらいましょう。
天井を高くする:折り上げ天井や吹き抜けの採用
リビングの開放感を高めたいなら、天井の高さを見直すリフォームも選択肢の一つです。
縦方向に広がりを出すことで、空間をゆったりと見せることができます。
代表的な方法の一つが、「折り上げ天井」です。
天井の中央部分を一段高く仕上げるデザインのことで、天井に立体感が生まれます。
間接照明と組み合わせれば、光の陰影によって奥行きが出て、リビングの印象を変えられます。
戸建て住宅なら、吹き抜けを採用する方法もあります。
吹き抜けは上階の床の一部をなくして上下階をつなげる空間で、採光や開放感が得られる点が特徴です。
ただし、大がかりな工事になることが多く、断熱性や空調効率にも影響します。
設計段階で、室温管理や照明計画もあわせて検討することが大切です。
壁面収納の造作:置き家具を無くしデッドスペースを解消
リビングに収納家具が多い場合は、壁面収納を造作するリフォームも有効です。
置き家具を減らすことで床面の余白が増え、リビング全体をすっきり見せられます。
テレビまわりや壁一面に壁面収納を設ければ、本や日用品、子どものおもちゃなどを収められます。
扉付きの収納にすると中身が見えず、生活感を抑えることもできます。
また、窓下や柱まわり、部屋の隅といったデッドスペースになりやすい場所も、壁面収納として一体化して造作すれば、収納として活用できます。
ただし、収納量を増やしすぎると壁面に圧迫感が出てしまうことも。
そんな時は壁や床に近い色を選んだり、取っ手の目立たないデザインにしたりすることで、空間に自然と馴染ませましょう。
内装材の変更・張り替え:隣室との段差や素材の違いを解消
素材や色が途中で切り替わると、視覚的に部屋が分かれて見えるため、狭く感じられることがあります。
リビングと隣室の床材や壁材が異なる場合は、内装材をそろえることで、この問題を解消できます。
隣室と床材が違う場合は高さも違うケースが多いので、揃えることで利便性も向上します。
段差をなくす工事では、下地の状態や既存の床材によって施工方法が変わるため、事前に現地調査で確認してもらうと安心です。
他に、壁紙や天井クロスの張り替えも、リビングを広く見せる工夫の一つです。
前述した通り、白・ベージュ・ライトグレーなどの明るい色は、空間を広く、明るく見せることができます。
隣室と同じ色味でまとめれば、部屋同士の境目も目立ちにくくなります。
紹介したリビングリフォーム術の費用相場

リビングリフォームの費用は、工事内容や施工範囲、既存の状態によって異なります。
ここでは、紹介したリフォーム術ごとの費用目安を解説します。
間仕切り壁の撤去
間仕切り壁の撤去費用は、補修内容まで含めると25万〜60万円程度が目安です。
壁を撤去するだけであれば数万円〜10万円程度で済むこともありますが、実際には撤去後の床や壁、天井の補修まで行うケースが多く、総額が高くなる傾向があります。
リビングと隣室をつなげる場合は、壁をなくした部分のクロスや床材を整える工事が発生します。
和室をリビングに取り込む場合は、畳からフローリングへの変更や段差の解消が加わるため、費用が上がることがあります。
また、建物を支える耐力壁は撤去できません。
配線や配管が通っている壁では移設工事が必要になることもあり、費用に影響します。
見積もり前にリフォーム会社に相談し、現地調査で確認してもらいましょう。
天井を高くする工事
天井を高くする工事の費用は、工法によって異なります。
折り上げ天井を採用する場合は10万〜30万円程度、吹き抜けを設ける場合は100万〜500万円程度が目安です。
折り上げ天井は、天井の中央部分を一段高く仕上げる工事です。
既存の天井裏に十分な空間があるか、梁や配線が干渉しないかによって工事内容が異なります。
間接照明を組み合わせる場合は、照明器具や電気工事の費用も見込んでおきましょう。
吹き抜けは、上階の床の一部をなくす大がかりな工事です。
構造補強や手すりの設置、断熱・空調計画の見直しが必要になることもあります。
開放感を大きく高められる一方で費用の幅も広いため、工事範囲とあわせて確認することが大切です。
壁面収納の造作
壁面収納の造作費用は、15万〜35万円程度が目安です。
収納の幅や高さ、扉の有無、使用する素材によって金額が異なります。
壁一面に収納を作る場合や、テレビボードと一体化させる場合は、50万円を超えるケースもあります。
造作収納は、リビングの寸法や使い方に合わせて作るため、既製品より費用が高くなる傾向があります。
その一方で、窓下や柱まわりなどのデッドスペースを活用でき、置き家具を減らせる点がメリットです。
費用を確認する際は、収納本体の価格だけでなく、壁の補強・電源の移設・テレビ配線の調整なども含めて見積もりを取りましょう。
また、扉付きにするか、オープン収納にするかによっても費用や使い勝手が異なります。
内装材の変更・張り替え
内装材の変更や張り替えでは、クロスや床材の種類、施工範囲によって費用が変動します。
クロスの張り替えは10畳で5万〜11万円程度、12畳で6万〜13万円程度が目安です。
フローリングの張り替えは10畳で10万〜30万円程度、12畳で15万〜30万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
また、工法によっても費用は変動します。
既存の床の上から新しい床材を重ねる「上張り工法」なら、撤去費用を抑えられますが、床の高さが変わるため段差には注意が必要です。
張り替える範囲だけでなく、段差解消や巾木、建具まわりの仕上げまで確認しておきましょう。
まとめ
リビングは、家族が集まったり来客を迎えたりする住まいの中心となる空間です。
家具の高さや配置、床の見える面積、視線の抜けを意識することで、同じ広さでも広く見せることができます。
また、内装の色や間接照明の活用も、リビングを広く見せる工夫の一つです。
知っているのと知らないのとでは、採用できる工夫の範囲も変わってきますので、頭に入れておいてくださいね。
本記事では、リビングを広く見せるための家具選びや配置の工夫、リフォーム術を解説しました。
紹介した工夫や費用相場を参考にしながら、リビングを広く見せる方法を検討してみてください。