部屋に壁を作るリフォームの種類と特徴

部屋を仕切る工事は、大きく以下の2つに分けられます。
- 造作壁(固定壁)
- 可動式間仕切り
どちらを選ぶかで、費用も工期も、その後の使い勝手も変わってきます。
まずはそれぞれの特徴を確認していきましょう。
造作壁(固定壁)
造作壁は、骨組みに石膏ボードを張り、クロスなどで仕上げる本格的な壁です。
一般的な間仕切り壁と同様の構造で、壁紙などを合わせれば、既存の内装になじませることができます。
主な特徴は以下の通りです。
- 遮音性・遮光性が高い
- 壁の中に配線を通せる
- 一度作ると簡単には戻せない
上記の特徴があるため、独立した個室に近い状態を作ることができ、コンセントやスイッチの新設もしやすくなっています。
半面、一度作ってしまうと元に戻せず、撤去には費用が掛かってしまいます。
「勉強や仕事に集中できる空間がほしい」「家族の生活音を気にせず過ごしたい」といった目的に適しています。
可動式間仕切り(引き戸)
可動式間仕切りは、レールに沿って動く引き戸やパネルで空間を仕切る方法です。
使う時だけ閉め、必要がなければ開けて1つの部屋として使えます。
主な特徴は以下の通りです。
- 任意に部屋を分割できる
- 上吊りレール式なら掃除や移動がしやすい(床に溝がない)
- (比較的)音や光が伝わりやすい
必要なときは仕切り、使わないときは開けて使えるのが、可動式間仕切りのメリットです。
用途に合わせて、部屋の広さを柔軟に変えることができます。
個室として固定する必要があるのか、必要に応じて1つの空間に戻したいのかを考えて、間仕切りの方法を選びましょう。
工事不要!壁を作らずに手軽に部屋を仕切るアイデア

「工事をするほどではないけれど、視線だけでも遮りたい」というケースもあります。
大がかりな工事をせずに空間を分ける方法として、以下のような方法が挙げられます。
- アコーディオンカーテン・ロールスクリーン
- 突っ張り式パーテーション
- 背の高い家具の配置
いずれも工事を伴う方法より費用を抑えやすい選択肢です。
それぞれの特徴と費用の目安を見ていきましょう。
アコーディオンカーテン・ロールスクリーン
アコーディオンカーテンやロールスクリーンは、必要な時だけ引き出して空間を仕切るアイテムです。
天井や壁にレール・ブラケットを取り付けるだけで済み、比較的短時間で設置できます。
費用の目安は以下の通りです。
- 自分で設置(既製品・突っ張り式レール):5,000円〜2万円前後
- 業者に依頼(採寸・レール取り付け込み):3万〜10万円前後
遮音性は高くありませんが、視線を遮る目的であれば十分に役割を果たします。
突っ張り式パーテーション
突っ張り式パーテーションは、床と天井の間に支柱を突っ張らせて固定するタイプの仕切りです。
壁や天井に穴を開けずに設置できるため、賃貸住宅でも多く選ばれています。
費用の目安は以下の通りです。
- 自分で設置(市販のパーテーション):1万〜3万円前後
- 業者に依頼(採寸・組み立て込み):3万〜8万円前後
ただし、天井の下地が弱い場所では十分に固定できない場合があります。
設置する際は、製品の使用条件や耐荷重を確認し、不安がある場合は専門業者に相談しましょう。
背の高い家具の配置
本棚やオープンシェルフなど、背の高い家具を仕切り代わりに置く方法もあります。
収納力を確保しながら空間を分けられるため、限られた広さの部屋では現実的な選択肢です。
費用の目安は、既製品の家具を購入する場合で2万〜8万円前後です。(家具の大きさや素材などによって変動します)
ただし、背の高い家具は地震などで転倒するおそれがあります。転倒防止器具を使用するなど、安全対策を行いましょう。
工事をせずに設置できるため、将来的に家具の位置を変えたり、仕切りをなくしたりしやすい点もメリットです。
壁を作るリフォームの費用相場

ここからは、壁を作るリフォームの費用の目安を、以下の3つに分けて紹介します。
- 造作壁(固定の壁)を新設する費用
- ドア(扉)や室内窓を追加する費用
- 可動式間仕切りを設置する費用
資金計画の出発点として活用してみてください。
※金額は部屋の広さ・仕上げ材のグレード・既存の下地の状態によって変わります。
※近年は資材価格の上昇も影響しているため、概算の参考としてご覧ください。
造作壁(固定の壁)を新設する費用
6畳の部屋を2つに分ける場合の目安は、以下の通りです。
- 間仕切り壁の新設(下地+石膏ボード+クロス仕上げ):8万〜25万円前後
※防音仕様(遮音シート・断熱材の充填など)込み:15万〜30万円前後 - 部屋の一部だけを仕切る小規模な壁:5万〜10万円前後
天井や床の仕上げに手を入れる場合や、壁紙を張り替える場合は、別途費用がかかります。
見積もりの際は、周辺の仕上げにかかる費用も確認しておきましょう。
ドア(扉)や室内窓を追加する費用
壁を新設すると、片方の部屋に出入り口や採光が確保できなくなることがあります。
その場合は、以下のような追加工事を検討します。
- 開き戸・引き戸の新設(建具+枠の造作込み):10万〜30万円前後
- 室内窓(FIX窓・小窓)の設置:10万〜30万円前後
※FIX窓とは開閉しない固定式の窓のこと
室内窓は、既存の壁に後付けするより、新設する壁に組み込む方が費用を抑えやすくなります。
建具のグレードやサイズによって金額の幅が大きくなります。
複数の業者に見積もりを依頼し、商品名やサイズ、ガラスの種類などの仕様まで記載してもらうと、条件をそろえて比較しやすくなります。
可動式間仕切りを設置する費用
費用の目安は以下の通りです。
- アコーディオンカーテン(業者施工):3万〜10万円前後
- パネルドア・折れ戸:8万〜20万円前後
- 上吊り式の引き戸(レール・建具・下地補強込み):15万〜40万円前後
上吊り式は天井側に建具の重さがかかるため、天井の下地補強が必要になる場合があります。(その場合は別途費用が掛かります)
仕切り方によって費用の幅は大きいものの、目的と予算に合わせて選べる選択肢がそろっています。
壁を作るリフォームにかかる工期の目安

費用と並んで気になるのが、工事にかかる日数です。
ここでは、以下の3つの工事について工期の目安を紹介します。
- 造作壁の新設
- ドア(扉)や室内窓の追加
- 可動式間仕切りの設置
壁を作るリフォーム工事は生活しながら行われることが多いため、事前にスケジュールを把握しておくと予定を立てやすくなります。
工事中の在宅の必要性など、細かな点は業者に確認しましょう。
造作壁を新設する工期
工期の目安は以下の通りです。
- 下地組み〜石膏ボード張り:1日程度
- パテ処理〜クロス仕上げ:1〜2日程度
- 合計:おおむね2〜4日程度
クロスの乾燥時間が必要なため、多くのケースで一日では終わりません。
防音仕様にする場合や電気工事を伴う場合は、合計で4〜6日程度かかることもあります。
ドア(扉)や室内窓を追加する工期
工期の目安は以下の通りです。
- 開き戸・引き戸の新設:1〜2日程度
- 室内窓の設置:半日〜1日程度
壁の新設と同時に行う場合は、造作壁の工期に含まれることが一般的です。
別々に依頼するより、まとめて工事したほうが日数も費用も抑えやすくなります。
可動式間仕切りを設置する工期
工期の目安は以下の通りです。
- アコーディオンカーテン・パネルドア:半日〜1日程度
- 上吊り式の引き戸(下地補強あり):1〜2日程度
いずれも造作壁より短期間で工事できます。
ただし、受注生産の建具を選ぶ場合は、発注から納品まで2〜4週間程度かかるため、工事日だけでなく商品の納期も確認しておきましょう。
壁を作って部屋を分ける際の注意点

壁を作ると、空調・採光・電気の条件が変わります。
工事後に後悔しないために、以下の3点を事前に確認しておきましょう。
- エアコンの増設と空調効率
- 窓の配置による採光と換気の確保
- コンセントや照明などの追加電気工事
いずれも壁を作ってから気づくと、追加の工事費がかかりやすい部分です。
それぞれ、確認していきましょう。
エアコンの増設と空調効率
1台のエアコンでまかなっていた部屋を2つに分けると、片方の部屋に空調が届かなくなります。
壁を作る前に、エアコンの位置と、増設が必要かどうかを確認しておきましょう。
費用の目安は以下の通りです。
- エアコンの増設(本体+標準取り付け工事):8万〜20万円前後
- 専用コンセントの増設:1万〜4万円前後
- 配管の延長や室外機の設置条件による追加工事:1万〜3万円前後
エアコンを増設する場合は、本体代に加えて、専用コンセントや配管、室外機の設置に必要な工事費がかかります。
エアコン専用の電源や室外機を置くスペースがない場合は追加工事が必要になるため、壁を作る前に設置場所と配管ルートについて業者に確認してもらいましょう。
窓の配置による採光と換気の確保
窓が1つしかない部屋を分けると、窓のない側は昼間でも暗く、換気もしにくくなります。
また、建築基準法第28条では、住宅の居室に一定以上の採光を確保することが原則として義務付けられています。
換気についても、必要な開口部や換気設備などが求められます。
※採光については、照明設備の設置など一定の条件を満たす場合にこの基準が緩和されるケースがあります。
対策としては、以下のような方法があります。
- 室内窓(FIX窓・小窓)を設けて、隣室から光を取り込む
- 壁を天井まで設けず、上部を開けて空気の流れを確保する
- ガラス入りの建具や、採光タイプの引き戸を選ぶ
こうした方法で採光や換気の条件を満たせるかどうかは、窓の大きさや位置、部屋の広さなどによって異なります。
設計の段階で業者に相談しておきましょう。
コンセントや照明などの追加電気工事
壁を作った後、片方の部屋でコンセントが足りなくなるケースは少なくありません。
不足してしまった場合、コンセントやスイッチを追加する必要があります。
費用の目安は以下の通りです。
- コンセントの増設:1箇所あたり8,000円〜3万円前後
- 照明器具の追加(配線工事込み):1万〜3万円前後
- スイッチの新設・移設:1万〜3万円前後
コンセントやスイッチの位置は、家具の配置や部屋の使い方を踏まえて業者と相談して決めましょう。
壁を仕上げた後に追加すると、壁を開けるなどの工事が必要になるため、事前に希望を伝えておくことが大切です。
事前に生活シーンを思い浮かべておけば、「使いにくい部屋になってしまった」という後悔は避けられます。
※寝室を新たに設ける場合は、住宅用火災警報器の設置が必要になることがあります。設置場所や必要な個数については、工事を依頼する業者に確認しましょう。
まとめ
部屋に壁を作るリフォームのポイントをまとめると、以下になります。
・造作壁や可動式間仕切りなど、目的や使い方に合った方法を選ぶ
・大がかりな工事をせずに仕切る方法もあるため、選択肢として知っておくと便利
・採光やコンセントの有無など、注意事項を事前に確認
部屋を仕切る目的は人によって違います。
「どういった壁を設置するのか」「どの程度の防音性やプライバシーを確保したいのか」などを整理したうえで、方法を選びましょう。
また、「たかが部屋を仕切るだけ」と安易に考えていると、工事後に不便な状況になったり、建築基準法などの基準を満たせなくなったりすることもあります。
希望する間取りや予算に合ったリフォームを実現するためにも、分からない点は専門業者に相談しながら進めましょう。