和式から洋式へのリフォーム方法

和式から洋式へリフォームする方法は、大きく分けて「洋式便器へ全交換する方法」と「簡易洋式便座を設置する方法」の2つです。
まずは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
洋式便器への全交換
既存の和式便器を撤去し、新しい洋式便器を設置する方法です。
段差のある和式トイレでは、床を解体してフラットに整えたうえで、給排水管の調整や内装工事を行います。
これに伴い、床や壁の下地、内装の仕上げまで一新するのが一般的です。
主な工事内容は、以下の通りです。
・既存の和式便器の撤去
・床の段差解消
・給排水管の移設や調整
・床や壁の下地工事
・床材や壁紙などの内装工事
・洋式便器の設置
・温水洗浄便座用のコンセント増設
和式トイレは段差やタイル張りの床・壁があるため、洋式便器への変更にあわせて、床をフラットにして内装も整える必要があります。
そのため、洋式便器への全交換では、床や壁の内装工事まであわせて行うケースが一般的です。
次に紹介する「簡易洋式便座」より費用は高くなりますが、段差をなくすことができます。
足腰への負担を減らしたい場合は、全交換を検討するとよいでしょう。
簡易洋式便座(アタッチメント)の設置
簡易洋式便座は、既存の和式トイレにかぶせるように設置する便座です。
大がかりな解体工事をせずに座って使える形にできるため、費用を抑えやすく、短時間で設置できます。
主な工事内容は、以下の通りです。
・既存の和式便器の状態確認
・簡易洋式便座の設置
・便座の固定や位置調整
・必要に応じて温水洗浄便座用のコンセント設置
大がかりな工事が不要なため、賃貸住宅や仮住まいなど、床や便器を変更できない場合にも取り入れやすい方法です。
一方で、和式便器の上に設置するため、床の段差やトイレ内の狭さは解消できません。
また、便座をかぶせることで和式便器まわりの掃除がしにくくなるといったデメリットもあります。
リフォームを行う目的に応じて、全交換か簡易洋式便座かを慎重に検討しましょう。
リフォームの費用相場

次に、和式トイレから洋式トイレへリフォームする、費用相場を見ていきましょう。
便器の全交換費用
和式便器から洋式便器へ交換する場合の費用は、20万〜50万円程度が目安です。
和式便器は床に埋め込まれていることが多く、洋式便器同士の交換よりも解体や床の補修に手間がかかります。
費用に含まれる主な工事は、以下の通りです。
・和式便器の撤去
・床の段差解消
・給排水管の調整
・洋式便器の設置
・既存便器や廃材の処分
費用を左右するポイントは、設置する便器の種類やグレード、床や配管の状態です。
組み合わせトイレであれば費用を抑えやすく、一体型トイレやタンクレストイレを選ぶと本体価格が上がります。
また、排水位置が合わない場合や、便器の向きを変える場合は、配管工事が追加になることがあります。
見積もりを取る際は、便器本体の価格だけでなく、解体費や配管工事費、処分費まで含まれているかを確認しましょう。
内装工事(床・壁)を含む費用
和式から洋式トイレへリフォームする場合は、床や壁の内装工事もあわせて行うケースが多いです。
内装まで含めた費用の目安は、25万〜60万円程度です。
費用に含まれる主な工事は、以下の通りです。
・床のクッションフロア張り替え
・壁や天井のクロス張り替え
・タイル壁やタイル床の解体
・床や壁の下地補修
・段差解消に伴う床の造作
和式トイレは、床や壁がタイル仕上げになっていることが多く、タイルを残したまま洋式便器を設置すると、冬場の冷えや目地の汚れが気になることがあります。
また、便器を洋式に変えても、タイルによって古い印象が残りやすくなります。
便器交換のタイミングで床や壁も整えることで、トイレ全体をきれいに仕上げられます。
ただし、下地の傷みや床下の劣化が見つかった場合は、補修費用が追加になることがあるため、見積もり時に確認しておきましょう。
簡易洋式便座の設置費用
簡易洋式便座は、既存の和式便器にかぶせて使うタイプで、大がかりな解体工事をせずに座って使えるようにする方法です。
本体価格は、数千円〜3万円程度が目安で、一般的な樹脂製の便座は数千円台から、暖房便座などの機能が付いたタイプは1万円以上が中心です。
便器の撤去や床の解体・補修、配管工事などが不要なため、便器の全交換より費用を抑えられます。
一方で、床の段差やトイレ内の狭さはそのまま残るため、使いやすさを根本的に改善したい場合には不向きです。
また、商品の固定方法や便器との適合性によって、安定して使えるかが変わります。
商品を選ぶ際は、便器にしっかり固定できるか、座ったときにぐらつかないかを確認しましょう。
工事にかかる期間・日数

和式から洋式トイレへのリフォームにかかる日数は、全交換する場合と、簡易洋式便座を設置する場合で異なります。
それぞれの目安を確認しておきましょう。
全交換・内装工事の工期
洋式便器へ全交換する場合の工期は、1〜5日程度が目安です。便器の交換だけで済むのか、床の段差解消や内装工事まで行うのかによって日数は変わります。
工事内容別の目安は、以下の通りです。
・便器の交換のみ:1日程度
・床の段差解消や床材の張り替えを含む:1〜2日程度
・タイルの解体や床・壁の補修、内装工事まで行う:2〜5日程度
※床下の劣化や配管の傷みが見つかった場合、追加で日数がかかることがある
主な工事の流れは、以下の通りです。
- 既存の和式便器を撤去する
- 床の段差やタイルを解体する
- 給排水管の位置を調整する
- 床や壁の下地を整える
- 床材や壁材を仕上げる
- 新しい洋式便器を設置する
- 必要に応じてコンセントを増設する
クッションフロアで仕上げる場合は短期間で完了することもありますが、タイル仕上げや下地補修が必要な場合は、乾燥時間を含めて数日かかるのが一般的です。
また、床下の傷みや配管の劣化が見つかった場合は、追加工事によって工期が延びます。
工事中はトイレが使えない時間が発生します。
自宅にトイレが1か所しかない場合は、事前に仮設トイレの手配や、近くで使えるトイレの確認をしておくと安心です。
簡易便座設置の工期
簡易洋式便座は大がかりな解体工事を行わないため、短時間で設置できる場合が多く、工事なしで使えるものもあります。
設置にかかる時間は商品によって異なりますが、便座を置くだけのタイプであれば、その日のうちに使い始められます。
ただし、温水洗浄便座など電源が必要なタイプを設置する場合は、トイレにコンセントがなければ電気工事が必要です。
その場合は、追加で費用と工期がかかります。
リフォームに活用できる補助金・助成金

和式トイレから洋式トイレへリフォームする場合、介護保険や自治体の助成制度を利用できることがあります。
利用できる制度がないか、リフォーム業者に相談してみましょう。
申請が必要な場合は、工事前に手続きを済ませることが大切です。
介護保険の補助金活用
要支援・要介護認定を受けている方が、自宅で安全に生活するために和式トイレを洋式トイレへ変更する場合、介護保険の住宅改修費支給制度を利用できる可能性があります。
介護保険の住宅改修では、以下のような工事が対象になります。
・和式便器から洋式便器への交換
・便器の位置や向きの変更
・段差解消に伴う床工事
・便器交換に伴う給排水設備工事
・便器交換に伴う床材の変更
・手すりの取り付け
支給限度額は原則20万円までで、所得に応じて工事費の7〜9割が支給されます。
利用する場合は、まずリフォーム業者に工事内容や見積もりについて相談しましょう。
そのうえで、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどに介護保険の住宅改修を利用したいことを伝え、必要書類をそろえて工事前に自治体へ申請します。
工事を先に始めてしまうと対象外になる場合があるため、必ず着工前に申請しましょう。
また、温水洗浄便座などの機能を追加するだけの工事や、水洗化そのものの工事は対象外になる場合があります。
対象になるかどうかも含めて、リフォーム業者に確認してみてください。
自治体の助成金活用
介護保険とは別に、自治体が独自に住宅改修やバリアフリー改修の助成制度を設けている場合があります。
主に高齢者が安全に暮らすための改修や、介護予防を目的としたリフォームが対象になります。
対象になる工事には、以下のようなものがあります。
・和式トイレから洋式トイレへの変更
・トイレ内の段差解消
・手すりの取り付け
・滑りにくい床材への変更
・出入口の拡張や扉の変更
助成内容は自治体によって異なり、以下のように条件が設けられている場合があります。
・対象者の年齢
・介護認定の有無
・所得制限
・市税の滞納がないこと
・市内業者に依頼すること
また、自治体の助成制度も工事前の申請が一般的です。
交付決定前に契約や着工をすると対象外になることがあるため、まずはリフォーム会社に助成制度の利用について相談し、対象となる工事や必要な手続きを確認しましょう。
申請に必要な見積書や写真などの書類も、リフォーム会社と確認しながら準備するとスムーズです。
リフォーム時の注意点

和式トイレから洋式トイレへのリフォームでは、便器本体以外にも確認が必要な箇所があります。
ここでは、注意点を紹介します。
トイレ内のスペース不足
和式トイレから洋式トイレへ変更する場合、便器を置くスペースだけでなく、座ったときの足元や立ち座りの動作スペースが必要です。
事前に確認したいポイントは、以下の通りです。
・トイレ内が狭く感じないか
・ドアの開閉に支障がないか
・手洗い器や収納が動線を妨げないか
また、以下の点は業者さんに相談して見てもらってください。
・便器本体を置ける奥行きがあるか
・手すりを付けるスペースがあるか
スペースが足りない場合は、コンパクトな便器を選ぶ・手洗い器の位置を変える・ドアを変更するなどの方法を検討しましょう。
それでもスペースを確保できない場合は、壁を移動してトイレ内を広げる方法もあります。
ただし、間取り変更を伴うため、費用や工期が大きくなります。
床下劣化による追加費用
和式トイレは床に段差があったり、タイルやコンクリートで仕上げられていたりするケースが多いです。
洋式トイレに交換する工事中に、床下の劣化や配管の傷みが見つかることもあります。
追加工事につながりやすいのは、以下のようなケースです。
・床下の木材が傷んでいる
・水漏れ跡や湿気による腐食がある
・排水管や給水管が劣化している
・床の下地が洋式便器の設置に合わない
・段差解消に伴い、床の造作範囲が広がる
床下の状態が悪いまま便器を設置すると、床の沈みや便器のぐらつき、水漏れにつながる恐れがあります。
そのため、見積もりの際は、解体後に追加工事が必要になった場合の対応や費用について確認しておきましょう。
また、解体後に追加工事が必要になった場合の費用目安も事前に聞いておきましょう。
見積書に「一式」とだけ書かれている場合は、床下の補修や配管交換が必要になった場合に、別途費用がかかるのかも確認しておくと安心です。
コンセント増設などの電気工事
温水洗浄便座や暖房便座を設置する場合は、トイレ内にコンセントが必要です。
和式トイレにはコンセントがないことが多く、洋式トイレへの交換にあわせて電気工事が必要になる場合があります。
また、コンセント増設の際は、以下の点も確認対象になります。
※リフォーム業者に相談し、確認してもらう内容になります。
・温水洗浄便座に対応できる位置にあるか
・アース付きのコンセントが必要か
・分電盤から新しく配線を引く必要があるか
・見積もりにコンセント増設費が含まれているか
コンセントの位置が悪いと、便座の電源コードが届かなかったり、掃除の邪魔になったりします。
延長コードで対応するのではなく、リフォーム時に使いやすい位置に調整しましょう。
まとめ
和式から洋式トイレへのリフォームは、全交換のほか、簡易洋式便座を設置する方法があります。
費用や工事内容、使いやすさを比較して、適した方法を選びましょう。
また、以下のポイントも意識してみましょう。
・費用や工期は、便器の種類や内装工事の有無、床下や配管の状態によって変動する
・介護保険や自治体の助成制度を利用できる場合がある
・工事前にトイレ内のスペースや必要な電気工事を確認する
洋式トイレに変更することで、足腰への負担を減らし、快適になります。
ただ、リフォームの際は注意点や知っておくとお得な情報があるのも事実です。
工事を始めてから後悔しないよう、事前にリフォーム会社へ相談し、利用できる制度や必要な工事を確認しておきましょう。