家に出る「小さいアリ」の代表的な種類

まずは、室内で発生しやすいアリの種類を確認しましょう。
イエヒメアリ
イエヒメアリの特徴は以下の通りです。
・体長2mm前後
・黄褐色から赤褐色に見えることが多い
・台所やリビング、壁の隙間、床板の間、押し入れなどで見つかる
・砂糖や菓子類だけでなく、さまざまな食品に集まる
・見えにくい場所に巣を作ることがある
イエヒメアリは室内で巣を作ることがあり、見えている働きアリを退治しても、しばらくすると再び姿を見せることがあります。
巣が分かれて広がる性質もあるため、発生が長引くと自力での駆除が難しくなります。
繰り返し出る場合は、ドラッグストアなどで手に入る市販の「設置型のアリ用駆除剤(毒餌剤)」を使用して、巣ごと退治するのが効果的です。
エサを巣に持ち帰らせる必要があるので、駆除剤に群がっているアリを見つけても殺虫スプレーなどで退治せず、様子を見るようにしましょう。
ヒメアリ
ヒメアリは、屋外から家の中へ侵入することがある小型のアリです。特徴は以下の通りです。
・体長は1.5〜2mmほど
・頭や胸が黄褐色、腹部が黒褐色に見える
・屋外の枯れ草や枯れ木、庭まわりに巣を作る
・餌を求めて室内へ侵入することがある
・食べこぼしや菓子、飲み残しに集まりやすい
侵入経路が分からない場合は、「窓サッシの枠」「床と壁の境目(巾木)」「エアコンの配管穴の周辺」など、外と繋がる隙間をチェックしてみましょう。
まずは食品管理を徹底し、疑わしい侵入口をマスキングテープや市販のパテで塞ぐだけでも、再侵入の予防につながります。
ルリアリ
ルリアリは、黒っぽく光沢のある小型のアリです。
特徴は以下の通りです。
・体長は2mm前後
・黒っぽい体色で、腹部に光沢がある
・光の当たり方によって青みがかって見えることがある
・屋外の草地や朽木、庭まわりに巣を作る
・窓まわりやベランダ、壁際で見かけることがある
・家電の内部に入り込むケースもある
ルリアリは、餌や水分を求めて家の中に侵入します。
特に注意したいのが、パソコンやWi-Fiルーターなどの家電製品の内部に入り込むケースです。
家電の近くでルリアリを見かけた場合、殺虫スプレーを吹きかけると家電の故障の原因になってしまいます。
市販の設置型駆除剤(毒餌剤)を近くに置いて様子を見るか、数が多くて不安な場合は早めに専門業者へ相談しましょう。
シロアリ
シロアリは名前に「アリ」と付きますが、ハチの仲間に分類されるクロアリとは異なり、ゴキブリの仲間に分類される、別の昆虫です。
特徴は以下の通りです。
・床下や土台、柱まわりなどの木材を加害する
・羽アリとして家の中に現れることがある
・胴体が寸胴でくびれがない(※クロアリは腰にくびれがある)
・触角がまっすぐに近い(※クロアリは「く」の字に曲がっている)
・羽アリの場合、4枚の羽の大きさがほぼ同じ(※クロアリは前羽が大きい)
家の中で見かけた場合は、上記のポイントで「シロアリかそれ以外のアリか」を確認することが大切です。
クロアリであれば建物への直接的な被害はありませんが、シロアリだった場合、床下や柱などの木材が深く食い荒らされている「危険信号」になるからです。
床のきしみや沈み、柱や壁まわりの木くず、羽アリが発生している場合は、シロアリによる被害が関係している可能性があります。
市販薬では表面上のアリを退治できても根本的な解決にはならないため、専門業者へ相談しましょう。
小さいアリが家の中に侵入する原因

ここからは、小さいアリが家の中に侵入する原因を見ていきましょう。
食品や生ゴミの放置
小さいアリが家の中に入ってくる原因の一つが、食品や生ゴミの放置です。
砂糖やお菓子、パンくず、果物、飲み残しなどはアリを引き寄せやすく、台所やダイニングで発生するきっかけになります。
ペットフードや子どもの食べこぼしにも注意が必要です。
少量の食べかすでも、アリが仲間を呼び、行列を作って室内へ入り込むことがあります。
食品や生ゴミが原因でアリが侵入している場合には、以下のような対策を検討しましょう。
・食品を密閉容器に入れる
・生ゴミをこまめに処分する
・食後に床やテーブルを拭く
・シンクまわりの水分や調理台の汚れを残さない
以上のような対策をとることで、アリが寄りつきにくい環境になります。
建物のわずかな隙間
体の小さいアリは、建物のわずかな隙間から侵入します。
侵入しやすい場所には、次のようなものがあります。
・窓枠やサッシの隙間
・玄関ドアの下
・壁や外壁のひび割れ
・エアコンや給排水管のまわり
・床と壁の境目
・換気口や通気口の周辺
辿ってみて侵入口が分かる場合は、パテやシーリング材、隙間テープなどでふさぎます。
室内のアリを駆除しても、侵入口が残っていると再び入り込む可能性があるため、駆除とあわせて侵入経路を確認しておきましょう。
観葉植物の土
観葉植物の土が、小さいアリの発生源になることもあります。
特に、屋外に置いている鉢植えは、土の中や鉢底にアリが入り込んでいる場合があります。
その他に、鉢の下や受け皿、土の表面、根元まわりは確認したい場所です。
湿った土や有機物が多い土は、アリにとって隠れ場所や餌場になりやすいためです。
アリが出ている鉢は、必要に応じて土の入れ替えや園芸用の薬剤を使用します。
殺虫剤を使う場合は、植物への影響や室内で使用できるかを確認してください。
自分でできる小さいアリの駆除・退治方法

小さいアリを駆除するときは、目の前にいるアリを減らすだけでなく、巣や侵入経路への対策も必要です。
次に、駆除・退治方法を見ていきましょう。
毒餌(ベイト)剤の設置
毒餌剤は、働きアリに餌として持ち帰らせることで、巣の中にいるアリにも影響を及ぼす薬剤です。
小さいアリを根本的に駆除したい場合に有効です。
毒餌剤は、アリが通っている場所や出入りしている場所の近くに置きましょう。以下のような場所がおすすめです。
・アリの行列の近く
・壁際や部屋の隅
・窓枠やサッシの近く
・玄関や勝手口の周辺
・キッチンの床まわり
・ゴミ箱の近く
・アリが出入りしている隙間の周辺
アリが毒餌を巣へ運ぶまでには時間がかかるため、設置してから数日は様子を見ましょう。
毒餌剤を設置した場所の近くでスプレー式殺虫剤を使うと、働きアリが餌を持ち帰る前に死んでしまい、巣の中のアリに毒餌の効果が届きにくくなることがあります。そのため、併用は避けてください。
また、設置しても食いつきが悪い場合があります。
効果が見られないときは、別のタイプの毒餌剤に変える、設置場所を変えるなどの方法を試しましょう。
小さな子どもやペットがいる家庭では、誤って触れたり口に入れたりしない場所を選ぶことも大切です。
スプレー式殺虫剤の使用
目の前にいるアリをすぐに退治したい場合は、スプレー式殺虫剤が有効です。
アリの行列や出没している場所に直接噴霧することで、見えている個体を短時間で減らせます。
キッチンや食品の近くで使う場合は、薬剤が食器や調理器具、食べ物にかからないように注意しましょう。
使用後は換気を行い、薬剤が付着した場所は拭き取ってください。
また、前述した通り毒餌剤を設置している近くでのスプレーの使用は避けましょう。
侵入経路の特定と封鎖
アリを繰り返し見かける場合は、どこから入ってきているのかを確認してみましょう。
行列をたどると、窓枠やサッシ、玄関、配管まわり、床と壁の隙間など、侵入口が見つかることがあります。
侵入口が判明した場合、パテやシーリング材、隙間テープなどでふさぐことができます。
根本から駆除するために、見えているアリの駆除とあわせて侵入経路を封鎖することが大切です。
あわせて、アリが通った場所を拭き掃除しておきましょう。
アリは餌場までの道しるべを残すため、行列ができていた場所を清掃すると、再び同じ経路をたどるのを防げます。
業者に駆除を依頼すべき危険なサイン

小さいアリは市販薬で対処できる場合もありますが、発生を繰り返す場合や建物に異変がある場合は注意が必要です。
最後に、業者に駆除を依頼すべき危険なサインを紹介します。
市販薬が効かずすぐに再発する
毒餌剤やスプレー式殺虫剤を使っても、すぐに小さいアリが出てくる場合は、巣が残っている可能性があります。
見えているアリだけを退治しても、壁の中や床下、屋外の巣から再び室内へ入ってくることがあるためです。
特に、以下のようなケースで注意が必要です。
・発生場所が毎回変わる
・数が減らない
・台所やリビングに大量発生する
以上のような場合は、自分で原因を特定するのが難しいケースがあります。
業者に依頼すれば、アリの種類や侵入経路、巣の場所を調査したうえで、状況に合う薬剤や駆除方法を選んでもらえます。
特に小さな子どもやペットがいる家庭では、薬剤の使用場所や注意点も含めて相談しましょう。
床のきしみや沈みがある
家の中で小さいアリを見かけるだけでなく、床がきしむ、歩くと沈む、ふわふわするように感じる場合は、床下の木材に傷みが出ている可能性があります。
湿気による腐食のほか、シロアリ被害が関係しているケースもあります。
床に違和感があるときは、まず床下の状態を確認することが大切です。
シロアリ被害かどうかは見た目だけで判断しにくいため、床下点検や専門業者への相談を検討しましょう。
柱や壁の近くに謎の木くずが落ちている
柱や壁、窓枠、床下収納のまわりに木くずのようなものが落ちている場合は、害虫や木部の劣化が関係している可能性があります。
掃除しても同じ場所に繰り返し出る場合は、放置してはいけません。
シロアリや木材害虫の被害では、木材の内部が傷み、外から見ただけでは状態が分かりにくいことがあります。
特に柱や土台などの構造部分に被害が広がると、住宅の強度に関わる恐れがあるため、木くずのようなものを見つけたら、状況が分かるように写真を撮っておきましょう。
近くに小さいアリや羽アリがいないかも確認し、市販薬でむやみに散らす前に専門業者へ相談することが大切です。
家の中で羽アリを見かけた
家の中で羽アリを見かけた場合は、業者への相談を検討しましょう。
羽アリには一般的なアリのほか、シロアリも含まれており、見た目だけでは判断が難しい場合があります。
特に、室内で羽アリがまとまって発生している場合や、窓際・床・柱などで何度も見かける場合は注意が必要です。
シロアリの羽アリだった場合、建物内部や床下などに巣がある可能性があり、住宅への被害につながっていることもあります。
自分で種類や発生源を判断するのが難しい場合は、害虫駆除業者などに調査を依頼しましょう。
発生した羽アリを写真に撮ったり、可能であれば数匹を保存しておいたりすると、種類を確認する際の参考になります。
まとめ
家の中に出る小さいアリは食品や生ゴミ、建物のわずかな隙間、観葉植物の土などがきっかけで侵入することがあります。
見えているアリだけでなく、根本から駆除を行うために、発生場所や侵入経路を確認することが大切です。
市販薬を使ってもすぐに再発する場合や、床のきしみ・沈み、木くず、羽アリなどが見られる場合は、シロアリ被害が関係している可能性もあります。
気になる症状がある場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。